第8章 PRAY 8
妙「どうしたの? 今日なんだか暗くない?」
『…え、』
仕事の合間にもお妙さんが私に声をかけてくれた。
ずっと猿飛さんと銀時のことが頭から離れなくて。
妙「何か悩みでもあったらいつでも言ってね?」
『あ、ありがとうございます』
あー、だめだめ!
仕事に集中しなきゃ‼︎
…でも銀時…
私には構ってくれないのに
あの女の人とは……
客「ちょっと嬢ちゃん‼︎ 零れてる零れてる‼︎」
ハッとして気がつくとお客のおじさんの
ズボンにはドンペリがこぼれていた。
私が考え事してたからかけてしまったのだ。
『あ、すみません‼︎ 今何か拭くものを‼︎』
客「あー、もういいよ。こんな店もういい‼︎」
そのおじさんは怒ってそのまま帰ってしまった。
『…すみません…でした…』
私はそのおじさんがお店を出るまで
頭を下げ続けた。