第1章 PRAY 1
片足をテーブルに乗っけたせいで
メガネが置いてってくれたお茶は
床に零れた。
銀「…なぁ、“鬼姫”さんよぉ」
『…もうその名は関係ない』
銀「俺だってもう白夜叉なんてもんじゃねぇよ」
『……』
ゆっくりと鞘ごと刀を腰に戻して
ソファに座り直した。
“鬼姫”。
当時最年少ながら攘夷戦争に参加した
私の呼び名だった。
まっすぐ何かを見据えている…
そんな銀時を私は尊敬していた。
ずっと銀時のように強くなりたい、と
思っていた。
宇宙へ行ったのも強くなるためだった。
少しでも銀時に近づきたくて。
いつの間にか銀時に寄せる思いは尊敬から愛へと変わっていった。