第5章 PRAY 5
神楽の声が遠くで聞こえた。
でも私は振り返りもせずに船に向かった。
ていうか勝手に神威に誘導された。
この怪我じゃスナックすまいるにも行けないしね。
『それにしても…兄妹だったとはね』
神威「あんなの兄妹でもなんでもないヨ」
『……』
神威はいつもと変わらないニコニコ笑顔だった。
でもその笑顔からは微かな殺気が垣間見得た。
過去にどんなことがあったのかわからないけれど夜兎ってすごいんだと思った。
高「おいおい何してくれてんだよ」
船に戻って私を見るなり晋助は笑った。
笑ってる晋助は少しだけ…
昔の…優しかった頃の晋助だった。
それから二日後だった。
私たちが大きく動いたのは。