第8章 【第七訓】原作第十九訓と第二十訓の間の話
「今日からお世話になります」
○○の言葉に、銀時は思い出したように目を見開いた。
「バーカバーカ! あんなん出任せに決まってんだろ! 誰がおま」
「定春、ご飯」
○○は目を細め、銀時を指さした。
「ワン!」
「じ、冗談だってば! ○○ちゃんのいけずー!」
新八の背後に身を隠し、銀時は子犬のように震えている。
「○○さん、これ完全に脅迫だよ……」
新八は初めて銀時に同情し、哀れに思った。
定春一匹を手玉に取れるだけで、ここまでの権力を得ようとは。恐るべき獣。
定春は床に寝転がり、腹を○○に預けている。
「完全に主従関係だな……」
「何言ってるアルか! 定春のご主人様はこの私アル!」
新八の言葉で、神楽の心に火がついた。
「定春! お前は私のペットアル!」
神楽はソファから勢いよく飛び上がり、定春に飛びかかった。
すると、定春も同じように神楽に飛びかかる。
「ワギャー!」
「ほら見るアル! こんなに懐いてるヨー!」
「だから神楽ちゃん、それは襲っているんだよ」
笑顔のままに神楽は定春に爪を立てられている。
「それでは、不束者ですが、以後お世話になります」
丁寧に床に両手をつき、○○は頭を下げる。
その後ろでは神楽と定春の戦闘が行われている。
「こ、こちらこそ……」
銀時は顔を青ざめさせる他なかった。