第59章 【第五十八訓】自称・雨女とか言うけど天気操る能力持ってない話
「ぎ、銀さん!!」
道満と晴明によってバトルを繰り広げていた銀時の左右のタマが、外道丸によって潰された。
あまりの事態に、銀時は白目を剥いて倒れた。
外道丸によってリング外へと助け出された銀時に、○○は駆け寄る。
「銀さん、しっかりして!」
「急げばまだ間に合うかもしれん」
晴明は式神を召喚し、外道丸と共に治療に当たるようにと命じた。
「銀さん!!」
○○は銀時の名を呼び続けるが、意識を取り戻す気配はない。
晴明は一人、式神も持たずにリング上へと上がった。
「銀さん、目を覚ましてよ!」
江戸中に配した式神の術を解き、晴明は道満を圧倒していた。
しかしその様子は少しも○○の目には入っていない。銀時一人に注意は注がれている。
その意識が銀時から逸らされたのは、強大な破壊音と、巨大な鬼がリングに現れた時だった。
「闇天丸でござんす」
一千年前、結野衆と巳厘野衆が封じた邪神。
道満は結野への恨みの余り、とんでもない化け物をこの世へと蘇らせてしまった。