第57章 【第五十六訓】漫画キャラにとって読者は神様です
「どうやら奴等は、俺達の順位を狙っているらしい」
銀時はモブ達を蹴散らした。
だが、次から次へとモブは襲いかかる。
大量の数字を蹴散らし続け、銀時、○○、神楽、定春は万事屋から脱出した。
「何言ってんの? 順位を狙う?」
銀時と並走しながら、○○は眉間に皺を寄せる。
「見てみろ」
銀時は定春を指差した。
白いモフモフに伸びた矢印の先端には『12位』の数字があった。
「順位が上がってる」
○○が万事屋へやって来た時、それは確かに『13』だった。
「定春より上の順位の誰かが殺られたんだろうな」
「そんなことあり得るの?」
「実際に起こってんだ。疑いようがねーだろ」
事実は小説より奇なり。
○○は12という数字を見つめる。変わるはずがない数字が変わっている。銀時の言うことは尤もだ。
1位の銀時の順位は変わるはずはないが、6位の神楽もステイのまま。
となると、7位以下、12位以上の誰かが襲撃され、その順位を奪われたと考えるのが妥当。
「あ、新八君……!?」
○○は数時間前に見かけた『8』の数字を思い出す。
「そんな……新八君が『8』じゃなかったら、これからなんて呼べばいいの!?」
新十君、新二十君、新百君、誰それ!! と○○は叫ぶ。
「順位と名前は連動してねーよ」
「銀時の言う通りだ。俺は五位だが、小五郎になりはせん」
「ヅラ!!」
「ヅラじゃない、桂だ。俺が小五郎になってみろ。歴史ファンから今以上のバッシングを受けるぞ」
現れた桂の顔は血にまみれていた。