• テキストサイズ

~月夜の紅~ 銀魂原作沿い小説

第56章 【第五十五訓】吉原炎上篇は諦めて回想にした話


 ――巨乳になりたい……!!

 ○○は拳を握る。
 そんな○○を、新八は白けた目で見やる。

「のっけから何言ってンですか、○○さん」

 顔を向けると、メガネの奥には自身に対する蔑みが見えた。

「常識人の僕等が恥も外聞もないこと口走ったら、この作品、瓦解しますよ」

 しばし新八と見合った後、○○は口を開く。

「いやいやいや、口走ってないから!」

 ○○は声を上げる。

「新八君こそ、非常識! 人の頭の中、読まないで!!」

 ――強く、なりたいんです

 銀時に訴えかける、新八と神楽。
 ○○はソファに座り、二人を見つめていた。
 吉原での戦いの末、己が弱さを身に染みた。
 銀時に教えを請いたいと、彼等は願い出た。

 強くなりたい。その思いは○○も同じ。
 足手まといにしかなれない自分。
 傷だらけの銀時を前に、一歩も動くことが出来なかった自分。

 ○○は神楽の横顔を見つめた。
 白い肌に青い瞳。華奢な体型。鮮やかな髪色。
 神楽はあの男によく似ている。
 彼女の実兄、神威という男。
/ 502ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp