第52章 【第五十一訓】マイナスドライバーもあまり見ない話 其ノ二
先輩を先頭に、一向は神殿の奥へと向かう。
ゲーマー星人の引き留めに失敗し、○○は溜め息を吐く。
思うようにはいかないものだ。
〈……オイ。……オイ、聞いてんのか〉
隣からの声に、○○は眉間に皺を寄せながらも反応する。
〈何よ〉
見えた先には同じく眉間に皺を寄せた銀時。
〈あの先輩って奴、さっきからお前ばっかり見てねーか〉
○○は視線を前方に向けると、先輩と呼ばれているゲーマー星人と目が合った。
目が合うと、逸らされた。
〈ギャルが好みなんじゃないの〉
〈今時ナウいヤングがマジ卍とか言ってる女が好みの奴がいるかよ〉
〈何よ。タマナシのネカマなんてもっとアウトオブ眼中じゃない〉
〈あんだと! ガングロヤマンバは山に帰れ!〉
〈どこがヤマンバ!? 鈴木●の子ばりに美白の女王だわ!!〉
敵であるゲーマー星人を目前に、○○と銀時はバチバチと火花を飛ばし合う。
どこまでも延焼するかと思われたが、一瞬にして鎮火される事態に陥った。
〈ひょっとして先輩じゃないスか?〉
○○と銀時が声の出処に目を向けると、全裸のフルーツチンポ侍Gが立っていた。
銀時は大剣を振るい、彼を排除する。
〈ひょっとして知り合……〉
ゲーマー星人に不審のこもる視線を向けられ、○○達は誤魔化す。
ただでさえギクシャクしオフ会に誘うどころではない雰囲気が漂っているというのに、全裸の変態が仲間だとバレたら取り返しがつかない。
どうにか誤魔化しやり過ごせた所へ、
〈実は俺は風呂場でシャワーあびてる時たまに小便しちゃったりするけどそれってみんなやってるよね!!〉
銀時と○○が声の出処に目を向けると、猛然とフルーツポンチ侍Gが駆けて来た。
銀時は大剣を振るい、彼を排除する。
〈さっきから黙ってりゃいい加減にしろよ〉
二度目は誤魔化しが利かなかった。
フルーツチンポ侍Gとフルーツポンチ侍Gの暴挙で作戦は泡と化す。
〈てめーらも奴等の仲間か?〉
先程まで口数の少なかった先輩が、人が変わったように多弁になる。
○○は首を傾げる。奴等とは、一体誰のことだ。
銀時が彼等に素性を尋ねると、二人は答えた。
〈〈ドライバーをやっています〉〉