第51章 【第五十訓】マイナスドライバーもあまり見ない話 其ノ一
「何の策も持たずに闇雲に動こうとするバカがたまにいるけどさ、そういう奴って本当、脳が足りてないよね。新八君」
「え、いや、あの……」
「オイ新八、男ならわかるよな。男にとってこの一本がどんだけ大事なモンなのかよォ。それがこんな状態にされて冷静に物事考えろってのが無茶ってもんだろ」
店に来る道中、○○は新八と神楽に聞いた。
銀時は股間から伸びる大切な一本がドライバーになっている、と。
○○は「いい気味だ」と銀時に聞こえるようにわざと爆笑の声を上げた。
それにより、喧嘩中の彼等の仲はさらに悪化した。
「いや、まァ……それは……」
険悪な二人に挟まれた新八はしどろもどろに受け応える。
「所詮、男なんて下半身で物事を考えて生きる単細胞生物だからね。特にこういう奴のは使い物にならなくした方が世のためだよ。ネ、神楽ちゃん」
「そうアル。元々銀ちゃんのなんて使い道のないスティックだったアル」
○○は神楽を味方につけ、銀時の悪口を言い連ねる。
ぎゃあぎゃあと銀時と○○の声が店中に響き渡る。
「もう! 二人とも、いい加減にして下さい! まずは体を元に戻すことが先決でしょう!」
新八は立ち上がって二人の間に割って入った。
「一旦休戦です! 当面の敵は、僕達の体をドライバーにした天人です!」
新八の言葉で言い争いは止まったが、銀時も○○も表情から不快感を消そうとしていない。
新八は溜め息を吐いた。