第49章 【第四十八訓】盗撮した亀を捕まえて竜宮城に行ってみた 其ノ二
「すっかり見ないうちに大きくなって~。孫の成長は早いのう」
神楽に背負われ、○○は木々の間を抜ける。
二人の前を老人になった銀時と桂がよろよろと歩いている。
「はて? 私に孫なんていたかしら」
謎の煙をあび、銀時、桂、○○は一気に年を取り、皺だらけの老人になってしまった。
無事なのは神楽一人。
こんな状態では島を脱出するための手段を見つけるどころはない。
四人は一旦、海へと戻り、みんなと合流することにした。
「何じゃ、騒がしい」
桂が声を上げる。
向かう先から、大勢のワアワアという声が響いて来る。
「お祭りかしら?」
「祭りか。懐かしいのう。夏祭りは毎年、○○殿と二人、手を繋いで縁日を巡ったのう」
桂は改竄された記憶の思い出を語る。
のろのろと歩いて行くと、見えたのは賑やかな祭りなどではなく、乱闘騒ぎだった。
亀の甲羅を身に着けた物騒な男達が、新八、妙、九兵衛、長谷川、それから盗撮亀の亀梨を襲っていた。
「おや、あの子達は……」
○○は新八や妙を見て首を傾げる。
覚えのある顔だが、はて、誰だっただろうか。
「あの子達、襲われてるんじゃないかい」
「そうみてーだな」
イカつい亀達は武装し、銃をも手にしている。
どこの誰かは思い出せなくても、どちらに加勢するべきかは○○にも判断出来る。
「アンタ、早く助けに行きなさい」
「これで全力じゃ」
杖をつきながら、銀時は彼等を助けるべく向かっている。
「待たせたな」
銀時の声に、新八、妙、長谷川は笑顔で振り返った。
そこに老人を見た彼等の表情は固まった。