第46章 【第四十五訓】真選組動乱篇 其ノ二
近藤を乗せた列車を追い、○○達は敵の中へと飛び込んだ。
「御用改めである!!」
銀時と神楽は幹部隊士、○○と新八は監察、平隊士の隊服に身を包んでいる。
車上には土方。オタクと化した風体ではなく、見慣れた隊服。銜えタバコの土方十四郎。
「いってェェェェェ!!」
だが、その中身はヘタレ土方のままだ。
木の枝に顔面を強打した土方は仰向けにひっくり返った。
「仲間の士気を高めるには副長健在の姿を見せつけねーとダメだっつーんだよ!!」
銀時は割れたフロント部分から身を乗り出し、土方を木刀で殴りつける。
「僕には無理だよっ!!」
土方はへっぴり腰で車の屋根へとへばりついている。
「立て土方ァァ!! その格好でヘタレだと余計に腹が立つ!!」
○○は窓から身を乗り出し、土方を叱咤する。
「無理だよぉ、○○氏」
「その呼び方やめろォォォ!!」
見た目だけは出会った頃と変わらぬ鬼の副長・土方十四郎。
オタクの格好で同じことをされるよりも怒りは二割増し。
土方は恐怖で震え、頭を抱える。周囲には爆音が轟いている。
「○○さん、土方さんも車内に入って下さい!」
ハンドルを握る新八が告げる。
前方に目を向けると、これまでの何倍もの車が走っているのが見える。
生身で表に立っていれば、集中砲火をあびるだろう。