第41章 【第四十訓】天堂無心流VS柳生陳陰流 其ノ五
相手は柳生家始まって以来の天才と呼ばれる九兵衛と、その祖父で柳生家歴代当主の中でも最強と謳われる剣豪である敏木斎。
銀時は互角以上に戦えても、新八が相手にするには荷が重い。
「新八君!」
障子がぶち抜かれる破壊音に、○○は目を向けた。
敏木斎の一撃で新八は屋敷の中へと吹っ飛ばされた。
勝負を着けようと、九兵衛が新八の元へと歩み寄る。
「○○! 向こうの戦いに構うな! 万事屋と新八君に任せておけばいい!」
「それはわかってるけど……!」
危ない場面を目にすれば、嫌でも気にはなってしまう。
窮地に立たされたと思った新八だったが、今度は彼が九兵衛を吹き飛ばした。
行方不明になっていたメガネをかけ、彼は縁側に現れた。
「新八君!」
水を得た魚よろしく、メガネを得た新八は視界良好。吹っ飛ばした勢いで九兵衛に襲いかかる。だが、メガネ一つの装着で倒せる程、柳生家次期当主は甘くはない。
新八一人では歯が立つはずもなく、勝負は銀時対九兵衛の様相を呈する。それでも、勝負を決めたのは新八の一撃だった。
「……ゴメン。負けちった」
銀時が九兵衛の皿を割り、敏木斎が銀時の皿を割る。
体勢の整っていない敏木斎の額の皿を新八が粉砕。
恒道館と柳生家の死闘は決着の時を迎えた。