第35章 【第三十四訓】ホストクラブ『高天原』の話 其ノ一
報酬は八郎からもらうことにして、万事屋一行は捜索を開始した。
写真を頼りに聞き込みをするが、目撃情報は得られない。
銀時だけは八郎に関する情報を得ていた。
「整形ですか!?」
○○は銀時が手にした写真を覗き込む。
この顔をした人物は、もう世にはいないらしい。
「整形っつったって、骨格まではなかなか変わんねーだろ」
銀時はマジックで写真に落書きをする。
さらには神楽、新八、○○までもが加わり、地味でどこにでもいそうだった八郎の風貌は様変わりした。
「整形っていうよりイメチェンだね」
○○は写真を手に取り、まじまじと見つめる。
「どんなイメチェンですか!」
耳にまで伸びる鼻毛。眉毛は一本化。写真の枠に入りきらない巨大なアフロ。
いても外に出られないと新八に言わしめられる風貌。
いるわけないと決めつける新八の背後を、一人の男性が横切った。
「オス、オラ八郎」
耳にまで鼻毛を伸ばし、繋がった一本の眉毛の眉間は険しく、爆発現場から生還したかと思しき巨大な髪。
○○の手に持たれた写真と同じ。落書きされた八郎そのままの男。
「ババア呼んでこい!!」
慌てる銀時と新八。
おばちゃんを呼ぼうと目を向けると、おばちゃんは複数のギャルに囲まれていた。
銀時は三人に八郎を追うよう命じると、おばちゃんの元へと向かった。