第34章 【第三十三訓】一日局長に気を付けろッテンマイヤーさんの話
「おはよう。新八君」
「おはようございます! ○○さん!」
依頼が入ったとの連絡を昨夜受け、○○は朝から万事屋へと足を運んでいた。
ガラス戸を開けた途端に目に入ったのは、満面の笑顔を浮かべた新八だった。
「明けましておめでとうございます」
「あ、これはご丁寧に。明けましておめでとうございます」
ここを訪れるのは今年初めて。
○○が丁寧に挨拶をすると、新八も丁寧に腰を折って挨拶をした。
「銀さんと神楽ちゃんは?」
「二人とも、今、衣装替え中です」
新八は右手で居間を、左手で物置を示す。
「衣装替え?」
「○○さんはコレです」
新八はテーブルに置かれた洋服を○○に手渡した。
ジーパンにシャツにジャケット、ブーツの置かれた上には茶色いテンガロンハットが載っている。
「新八君、今日の仕事ってどんな……何コレ」
持参した地酒とおせちをテーブルに置くと、テーブルとソファの間に置かれているものに気がついた。
茶色い箱のようなもの。しかし、毛並みが美しい。フサフサの尻尾も真っ黒く艶々している。
よく出来た馬の胴体の造形物。