第27章 【第二十六訓】フルーツポンチ侍VSフルーツチンポ侍の話
「遅いなァ、銀さん」
○○は往来に目を向ける。
右を見ても左を見ても、銀髪パーマは歩いてこない。
待ち合わせは午後一時半。既に三十分が過ぎている。
「やっぱり来ないのかな」
今まで待ち合わせをすっぽかされたことはあっても、遅れたことはない。
万事屋に電話を入れても、留守のようで誰も出なかった。
「みんないないってことは、急な依頼かな」
この頃、銀時は新八の後をつけていた。
前日、新八にデートの誘いの手紙が届き、銀時、神楽、妙の三人は待ち伏せをしていた。
相手の女を見たので、銀時は○○との待ち合わせ場所に向かおうとしたが、妙に捕まりデートを尾行することを余儀なくされていた。
多分もう来ないだろうと、○○は万事屋へと道を歩いた。
屯所に戻って以来、万事屋に顔を出さない日も多いが、銀時と会っていないわけではない。
こうして待ち合わせをして落ち合っている。
向かう先はもっぱら、ラブホテル『極楽浄土』。
歩いていると、前方から進んで来た一台のパトカーが路肩へ寄り、○○の横に停車した。