第26章 【第二十五訓】一寸の虫にも五分の魂の話 其ノ二
「サド丸22号に勝てるかな?」
沖田が出したカブトムシは人間よりも巨大なカブトムシ。
このままでは瑠璃丸の命はない。瑠璃丸の命がなければ、我々の命もない。
止めに入らねばならないが、二人は遙か上空、崖の上。
「侍が四人協力すれば、越えられぬ壁などない!」
近藤が団結を要請する。
近藤、土方、銀時、新八。
「私は?」
○○は自身を指さす。
「○○は下がっていなさい。危ないから」
肩に手を乗せ、近藤は頷く。
○○をあんな凶悪カブトムシと戦わせるわけにはいかない。
土台として踏むことも出来ない。満場一致の四人の意見。
「ちょっ、ハチミツついてる、ハチミツ!」
○○は近藤から逃げた。
近藤は今日もハニー大作戦。○○の肩はハチミツでキラキラと輝く。
銀時と土方は、お前が土台になれ、ふざけるなお前がなれとポジション争いをしている。
「いい加減にしなさいよ! もう瑠璃丸がァァ!!」
○○が叫ぶ。
サド丸が瑠璃丸めがけて突進している。
ピンチに輝く四人の連携。土台を作った近藤、土方、新八の背中を使い、銀時は崖の上へとたどり着いた。
ゴドォンと音を立てて飛ばされるサド丸。生き物の命をもて遊ぶなと二人に説教をする銀時は、一匹のカブトムシを踏みつぶした。
「連帯責任でお願いします」
瑠璃丸は天へと還った。