第22章 【第二十一訓】百万編の詩より一吠えのワン🐾の話
「しばらくは屯所かなァ」
以前は居候をしながら隊士として働いていたが、今ではただ寝泊まりする場所になっている。
銀時は何事かぶつくさと言っている。
「戻ってほしいなら、戻ろうかな」
○○は口元だけで笑い、銀時を見上げる。
「あ? バカ言ってんじゃねェ。○○がいると家が狭くてしゃーねェ」
「あ、そ。じゃあ、ずっと屯所にいるかも」
○○はフイと顔を背ける。
「荷物取ってさっさと帰ろーっと」
銀時は言い淀む。
戻るかどうかはともかく、銀時の口から戻ってほしいという言葉は聞いてみたい。
銀時もそれはわかっているが、そんなこっ恥かしい台詞は口が裂けても言えっこない。
互いに無言の時間が続き、万事屋へとたどり着く。
「○○」
意を決したような銀時の声に振り返る。
真剣味のある稀有な表情に○○はむず痒さを覚える。
何かを言いかけた銀時の顔は、唐突に視界から消えた。
「ただいまヨー」
「おかえり。早かったね」
「定春、お腹空いたって。帰ってご飯にするネ」
「うん、もう食べてるね」
銀時の頭はすっぽりと白い獣に覆われている。