第23章 萬里香
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…あれ?
夢?
どこまでが夢?
遮光カーテンの隙間、陽が差し込む。
スズメの鳴く音がした。
ぼんやりと頭が痛い。
それもそうだ、昨日結構飲んだし。
いつもの見慣れた部屋に安堵し、そのうちドアをノックする音が聞こえた。
「はーい」
「おはよう芽李ちゃん、朝ごはん食べられそう?」
「あ、はい!えっと、昨日は遅くまですみません」
「いいのよ」
「あの、昨日私どうやって帰ってきました?」
などと恐る恐るきけば、少し考え込んだあとクスッと笑っておばあちゃんが口を開く。
「紬ちゃんがね、お友達と送ってくれたわよ。確か、た」
「丞さん?」
「ふふ。朝ごはん冷めちゃうわ」
「あ、はい!今行きます!」
慌てて飛び起きた。
その時、大事に握っていたせいで少しよれた封筒をのばし、ベットサイドへと置いた。
おばあちゃんには、後でそれを渡す予定だった。