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3月9日  【A3】

第23章 萬里香


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 …あれ?

 夢?

 どこまでが夢?

 遮光カーテンの隙間、陽が差し込む。
 スズメの鳴く音がした。

 ぼんやりと頭が痛い。

 それもそうだ、昨日結構飲んだし。

 いつもの見慣れた部屋に安堵し、そのうちドアをノックする音が聞こえた。

 「はーい」
 「おはよう芽李ちゃん、朝ごはん食べられそう?」
 「あ、はい!えっと、昨日は遅くまですみません」
 「いいのよ」
 「あの、昨日私どうやって帰ってきました?」

 などと恐る恐るきけば、少し考え込んだあとクスッと笑っておばあちゃんが口を開く。

 「紬ちゃんがね、お友達と送ってくれたわよ。確か、た」
 「丞さん?」
 「ふふ。朝ごはん冷めちゃうわ」
 「あ、はい!今行きます!」

 慌てて飛び起きた。

 その時、大事に握っていたせいで少しよれた封筒をのばし、ベットサイドへと置いた。
 おばあちゃんには、後でそれを渡す予定だった。
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