第22章 大白
見知らぬ人の心配なんて、こんな状況の私にされてもねって話だけど。
慣れてるとは言え、万が一があるかもしれないから。
荷物の中にあったブランケットを掛けてあげる。
って、これで亡くなったら、私捕まっちゃう?
幇助的なのでデューイっぽい人に捕まっちゃう?
てか、こんな可愛い男の子に声かけてる時点で大丈夫なのか?私。
「ねぇ…」
「ん?」
「お腹すいた…」
「え?…あぁ、待ってて」
そう言えば私もお腹すいてきたな。
…この近くにコンビニはあっただろうか。
って、なんで私は素直に買いに行ってるんだ。
と、思いつつ、可愛い子に弱い私は携帯の地図で調べた近所のコンビニへと急ぐ。
深夜ということもあり若干商品は少なく、ホットココアとコーヒーと、ショーケースに蒸してあった残り一つずつしかない肉まんとあんまんを購入。
ついでにレジ脇にあったひとつ20円マシュマロもパッケージが懐かしくて購入した。
急いで御影さんのもとに戻る。
やはりぐっすり寝ていた。
「御影さん」
「ん…、誰…芽李?」
「あったかいもの買ってきたんですけど、肉まんとあんまんどっちがいいですか?
後ココアとコーヒーもありますけど」
「…?」
のっそりと起き上がった御影さんに差し出す。
「甘いのとしょっぱいのどっちがいいですか?」
「甘いの」
あんまんを渡す。
「飲み物どっちがいいですか?」
こっち、と指を刺したココアを渡す。
甘党派か。
「ちょっと待ってくださいね?」
荷物に忍ばせていた紙コップをひとつとりだし、ココアを写し変え、ポンっとマシュマロを乗せた。
「どうぞ」
「…ありがとう」
「いえ」
もぐもぐとするのを見届けて、自分も肉まんを食べとコーヒーを啜る。
「少しでごめんね」
「ううん、ちょうどいい」
あまり会話も進まないけど、嫌な感じはなくむしろ落ち着く。
「芽李は、あったかいね」
「そう?」
「ん。…ねぇ、これからどうするの?」
「んー、朝になったら職場に行って、寮を出たことを言ってー、どうしよっかな」
「寮?」
「そう。劇団の寮…あ、御影さんお芝居興味あります?」
「お芝居?」