第11章 染井吉野
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「ーーよし、と。一応画面でチェックしてくれるかな?」
「お、いい感じ〜!」
「いいね〜!きらきら〜!」
「みんな、かっこいい!」
「ほんとだ!!この写真すきだなぁっ、みんなかっこいい!
これ一枚欲しい!家宝にしたい」
夏組5人が映った写真。
「家宝って……まぁ、こんなもんじゃないか?」
「写真使いまくって、サイトリニュしちゃお。」
「ただの写真部のくせに、結構ちゃんと撮れてるじゃん」
「はは、よかった。それじゃ、データは後で送るから」
「よろ!」
「春組の写真も欲しいなぁ。」
「それはまた今度ね。臣くん、ありがとう、お疲れさま!」
ちぇ…。
「あ、帰りにちょっと劇場の方、見てもいいですか?」
「劇場?もちろん。それじゃ、案内するよ。」
「すみません、芽李さんもいきませんか?」
「え?わたし?」
「ダメですか」
「あ、いいえ。はい、」
「それじゃあ、いこっか」
なぜか流れで臣くんたちと劇場に向かうことになって、寮を出て劇場へと向かう。
監督だけでもいいような気がするんだけど…。
「臣くんと芽李ちゃんは、どうやって知り合ったの?」
「あぁ、芽李さんの職場の店長が俺の古くからの知り合いで、取材させてもらった時にたまたま。」
監督と臣くんの話をききながら、後ろを歩く。
「そうなんだ。」
「今回、綴に頼まれたって言うのはもちろんなんですが、その取材した時に、芽李さんが言ってたんです」
「なんて?」
「俺が撮った劇団の人たちの写真でアルバムを作ってほしいって。」
「なっとくです、臣くんの写真すごくよかったもの。」
「はは。ありがとうございます。」
ガチャっと、監督が鍵をあけて重みのある扉が開く。
劇場の匂いがする。
「こちらへどうぞ。」
監督が言って、舞台の上へと臣くんが上がる。
「へぇ………舞台って、実際に立つと結構広いんですね。」
臣くん、身長もあるし舞台映えするな、やっぱり。