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3月9日  【A3】

第11章 染井吉野


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 「ーーよし、と。一応画面でチェックしてくれるかな?」
 「お、いい感じ〜!」
 「いいね〜!きらきら〜!」
 「みんな、かっこいい!」
 「ほんとだ!!この写真すきだなぁっ、みんなかっこいい!
 これ一枚欲しい!家宝にしたい」

 夏組5人が映った写真。

 「家宝って……まぁ、こんなもんじゃないか?」
 「写真使いまくって、サイトリニュしちゃお。」
 「ただの写真部のくせに、結構ちゃんと撮れてるじゃん」
 「はは、よかった。それじゃ、データは後で送るから」
 「よろ!」
 「春組の写真も欲しいなぁ。」
 「それはまた今度ね。臣くん、ありがとう、お疲れさま!」

 ちぇ…。

 「あ、帰りにちょっと劇場の方、見てもいいですか?」
 「劇場?もちろん。それじゃ、案内するよ。」
 「すみません、芽李さんもいきませんか?」
 「え?わたし?」
 「ダメですか」
 「あ、いいえ。はい、」
 「それじゃあ、いこっか」

 なぜか流れで臣くんたちと劇場に向かうことになって、寮を出て劇場へと向かう。

 監督だけでもいいような気がするんだけど…。

 「臣くんと芽李ちゃんは、どうやって知り合ったの?」
 「あぁ、芽李さんの職場の店長が俺の古くからの知り合いで、取材させてもらった時にたまたま。」

 監督と臣くんの話をききながら、後ろを歩く。

 「そうなんだ。」
 「今回、綴に頼まれたって言うのはもちろんなんですが、その取材した時に、芽李さんが言ってたんです」
 「なんて?」
 「俺が撮った劇団の人たちの写真でアルバムを作ってほしいって。」
 「なっとくです、臣くんの写真すごくよかったもの。」
 「はは。ありがとうございます。」

 ガチャっと、監督が鍵をあけて重みのある扉が開く。
 劇場の匂いがする。

 「こちらへどうぞ。」

 監督が言って、舞台の上へと臣くんが上がる。

 「へぇ………舞台って、実際に立つと結構広いんですね。」

 臣くん、身長もあるし舞台映えするな、やっぱり。
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