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3月9日  【A3】

第9章 雛菊桜


 「…それにしても。

 おえ、一瞬にしてリア充映像が浮かんだ」

 胃もたれするわー、と言う顔を浮かべた幸くんにキョトンとする椋くん。

 「リア充映像?」
 「同級生役の女優と二人で浴衣の衣装着てー」

 気にせず天馬くんは、当時のことを詳細に語る。

 「詳細に言わなくていい。」
 「わぁ。少女漫画のワンシーンみたいだね……!
憧れちゃうなぁ」
 「そうか?線香花火はちまちましててあまり面白くはなかった。」

 まぁ確かに、派手さはないけど。

 「いづみちゃん、私飲み物とってくるね。」

 みんなを横目に、クーラーボックスを取りに向かう。

 「テンテン、ロケット花火はねー、ドカーンって爆発しちゃうんだよ〜ん!」

 …かずくん悪い顔してるんだろうな。

 「何!?」
 「そうそう、それで中から爆竹が飛び出してきて、頭の上に降ってくんの」

 あーぁ、幸くんまで…
 
 「危険極まりないじゃないか!」
 「爆竹警報〜爆竹警報〜」

 縦横無尽に動き回る三角くん。

 「ちょっと、みんな」

 焦る椋くん。

 …ふふ、見なくても想像つくな。

 「それじゃ、点火するよー」
 「ま、待て!まだヘルメットの準備が」

 ー…ぐいっ!

 「3.2.1.…ゴー!」

 「は?」

 「ゴー!」
 「おい!全員伏せろ!頭をガードしないと危ないぞ!」

 いやいや、

 「ぷっ」
 「わぁ、少女漫画みたいです!

 って!

 天馬くん、大丈夫だよ。ほら、見て。」

 「危ない!爆竹がーーん?」

 DK俳優、いい匂いするな…じゃないんだよ!!

 「おーい、てんまさん?」

 ぽんぽんと、学生のくせに割と筋肉質な背中を叩く。

 「どさくさに紛れて、ポンコツ役者。なに、芽李さんに縋ってんの」
 「違うよ幸くん!さすが天馬くん!ロケット花火から、芽李さんのこと守ろうとしたんだよね?王子様みたいでしたぁっ」

 ポワポワと妄想の世界に入ろうとする椋くん。

 と、私から天馬くんを引き離す幸くん。
 あれ?若干白い目向けられてる?

 というか、ロケット花火から守られるって字面どうなの?
 せめて後数年若かったら、キュンとするんだろうけど。

 「…………////」

 …いや、撤回。

 天馬くんの可愛さには、キュンとせざるおえない。

 

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