第9章 雛菊桜
合宿最終日、なんとか団結した夏組のメンバーに、支配人がご褒美を持ってきた。
「みなさんお疲れ様でした〜!
今日の夕方はアクティビティを用意しましたよ!」
「アクティビティ?」
みんなの視線が支配人に向く。
「じゃじゃーん!これです!」
キラーんと光ったメガネ。
支配人もドヤ顔である。
「それって…花火ですか?」
椋くんの言葉にみんなもキラキラとした顔になってく。
疲れが吹っ飛んでったみたいに。
「夏といえば花火!合宿は思い出作りも大切です!」
「たしかに、いいですね!」
いづみちゃんも嬉しそうだ。
「支配人、みんな喜んでくれてよかったですね!」
「はい〜!」
支配人から花火を受け取ったみんなに、声をかける。
「その前にお風呂とかすませちゃったら??ご飯も用意しとくし」
「そうですね!」
「じゃあ、先に風呂!いくぞ、お前ら!」
「あんたがしきるな、ポンコツ役者。」
「だ!誰が、ポンコツ役者だ!」
「騒いでないで、いくよ。ポンコツ」
「あ?コラ!まて!お前!」
パタパタっ
「ふふふ」
「可愛いね、夏組」
思考が読まれたかと、いづみちゃんを見る。
「そうだね。…若手がさ、伸び伸び育ってくれたら言うことないよね。ひとまずはさ。」
「うん、いえてる。」
オーディション受けてくれたメンバーが彼らでよかった。
春組の次が、彼らでよかった。
おどおどしてた椋くんも、
つっけんどんな幸くんも、
人一倍プライドが高い天馬くんも、
空気を読むのがうまい一成くんも、
天賦の才の持ち主の三角くんも、
夏組でよかったし、5人にもそう思ってほしい。
春組に負けないくらい大事になってしまった彼らに想いを寄せながら結局カレーを作ってしまった私。
「やってしまった…」
「げ。」
聞こえてきた声に顔を向ければ、切ないくらいに睨まれた。
「ゆき、くん?」
「寮母のくせに、なんでカレーなわけ?もっと違うのつくりなよ。」
「辛辣…」
「わー!芽李ちゃんのカレー!珍しいね!最終日にまさかこんなレアなの食べられるなんて!合宿頑張った甲斐あるね!」
「お野菜さんかく〜」
と、晩御飯に関して喜んでくれたのは三角くんといづみちゃんだけだったのは言うまでもない。