第8章 椿寒桜
この間からなんか変?
「芽李ちゃん、ごめん。」
「はーい」
「部屋の案内お願いできるかな?」
「うん、わかった。佐久間くんも行こ。」
「はいっ」
あれ、普通に戻ってる。…やっぱり気のせいか。
ーーーー
ーー
「え?203号室手入れしてないんですか?」
「…面目ないですぅ」
「春夏の部屋の整理は任せてくださいって言ってたの支配人じゃないですか。言ってくれたら私したのに…ごめんね、皇くん」
「ふん、いい。オレは201号室にするから」
…あれ、幸くんが201って言ったと思ったんだけど。
「じゃあ、幸くんと同室ってことか。」
「全く、自分勝手でポンコツとか救いようないよね。」
「なんだと!」
「で?203ってここだよね?」
椋くんの提案でそれぞれの部屋に行く前に、203を見に行くことになって、到着した203号室。
「何か聞こえる?」
「うーん、何も」
「……かく」
「しっ」
あれ…
みんなも聞こえたみたいだけど…、ってそこじゃなくて…。
男の人が開ける流れになったのに、ピュンっと消えた支配人。
「わたし、あけようか?」
…聞き覚えある声だし、、
「正気?!」
「辞めときなよ」
「そうですよ!それならオレが」
「佐久間くんがするなら、私が」
「2人とも、支配人を待とう?」
そんなやりとりをしていると支配人が真澄くんを連れてきた。
「………何?」
たしかにいづみちゃんのセコムだけど…。
と思ってるうちに真澄くんが開ける流れになって、物ともせず開けてしまう。
「おにぎりって神秘〜!」
私からしたら見覚えのある姿だった。
みんな驚いてるけど、ここに住んでたなんて。…そっちの意味で驚いてしまった。
「みんなさんかくほしいのぉ?」
目の前に立ってる他のみんなの方が気になって、私に気づいてないみたいだ。
「窓、開いてたから入れたよー。」
ぽわわわーんと会話してる。
「あ、このおにぎりはダメ!!オレのだよ!」
みんなの間を通り抜けて、私と目があった瞬間にニッコリ笑って俵担ぎされる。
「え?」
みんながポカーンとしてる間に、あっという間に一階に到着。
「ちょ、」
酔う、吐く。
みんなが追うから余計激しく逃げてるみたいだ。