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3月9日  【A3】

第7章 豆桜


 ぴゅぴゅーんと、連絡をすると言って消えたカズくん。
 みんなはにわか信じてないらしい。

 そうこうしながら始まった稽古。

 殺陣の練習、本当にうまくなったな…


ーーーー
ーー


 「じゃあー、1時間休暇」

 いづみちゃんの声に、みんなが動きを止める。

 「お疲れ様」

 みんなにそれぞれタオルや飲み物を渡していく。

 「ありがとう、芽李ちゃん。」
 「ううん。これしかできないからね!」
 「まーた、そういうこという。」
 「ごめんごめん。そうだ、私ちょっと買い出し行ってくるね」
 「はーいっ」
 「みんな、買い物行くけど何か欲しいものある?」

 ニヤッと笑ってスマホから顔を上げた至さんが言う。

 「魔法カード、出世払いで」
 「却下。」
 「あの、俺もいきましょうか??」
 「んーん、稽古頑張ってたし、稽古したんだから休憩もちゃんと取らないと。ありがとう、佐久間くん。」

 近寄ってきた咲の頭をポンポンと撫でながら答える。

 麦茶のパックそういえば切れそうだったな……

 買い物に行く支度をする。
 特売のものがあったらついでに買おうと、ショッピングバッグは三つ持った。

 寮を出て少し行ったところで私の横を天鵞絨TVと塗装してあるワゴンが通り過ぎていった。

 「まさかね…」

ーーーーーー
ーーー

 休憩の1時間を少しすぎて、寮につく。

 空だったショッピングバックはパンパンになって……
 まぁ、中身片付けたらまた空になるんだけど。

 「おかえり、芽李ちゃん。」
 「あぁ、いづみちゃん。ただいま。そうだ、差し入れにプリン買ってきたよ。」
 「いいね!みんな喜びそう。休憩少し伸ばしたからみんなで食べよう!」

 片付けるのを手伝ってくれたいづみちゃんと、プリンを持って稽古場に向かう。

 「へぇ、じゃあやっぱり来たんだ。テレビ。」
 「ほんとびっくりだよ。」

 私が出掛けてる間に、カズくんが言ってたTVの取材が本当に来たらしい。

 「ちゃんと話せた??」
 「みんなガチガチに緊張してたよ、至さんはさすがだったけど」
 「へぇ。じゃあ放送されたら少なくとも3枚は録画して取っておかないとね。」
 「3枚?」

 「実用用と、保存用と、布教用」


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