第7章 豆桜
ぴゅぴゅーんと、連絡をすると言って消えたカズくん。
みんなはにわか信じてないらしい。
そうこうしながら始まった稽古。
殺陣の練習、本当にうまくなったな…
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「じゃあー、1時間休暇」
いづみちゃんの声に、みんなが動きを止める。
「お疲れ様」
みんなにそれぞれタオルや飲み物を渡していく。
「ありがとう、芽李ちゃん。」
「ううん。これしかできないからね!」
「まーた、そういうこという。」
「ごめんごめん。そうだ、私ちょっと買い出し行ってくるね」
「はーいっ」
「みんな、買い物行くけど何か欲しいものある?」
ニヤッと笑ってスマホから顔を上げた至さんが言う。
「魔法カード、出世払いで」
「却下。」
「あの、俺もいきましょうか??」
「んーん、稽古頑張ってたし、稽古したんだから休憩もちゃんと取らないと。ありがとう、佐久間くん。」
近寄ってきた咲の頭をポンポンと撫でながら答える。
麦茶のパックそういえば切れそうだったな……
買い物に行く支度をする。
特売のものがあったらついでに買おうと、ショッピングバッグは三つ持った。
寮を出て少し行ったところで私の横を天鵞絨TVと塗装してあるワゴンが通り過ぎていった。
「まさかね…」
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休憩の1時間を少しすぎて、寮につく。
空だったショッピングバックはパンパンになって……
まぁ、中身片付けたらまた空になるんだけど。
「おかえり、芽李ちゃん。」
「あぁ、いづみちゃん。ただいま。そうだ、差し入れにプリン買ってきたよ。」
「いいね!みんな喜びそう。休憩少し伸ばしたからみんなで食べよう!」
片付けるのを手伝ってくれたいづみちゃんと、プリンを持って稽古場に向かう。
「へぇ、じゃあやっぱり来たんだ。テレビ。」
「ほんとびっくりだよ。」
私が出掛けてる間に、カズくんが言ってたTVの取材が本当に来たらしい。
「ちゃんと話せた??」
「みんなガチガチに緊張してたよ、至さんはさすがだったけど」
「へぇ。じゃあ放送されたら少なくとも3枚は録画して取っておかないとね。」
「3枚?」
「実用用と、保存用と、布教用」