第6章 丁子桜
「うーん、ちょっと胴回りがきつめかな」
ティボルトがだいぶティボルトで、
「痩せろ」
「サイズ合わせとは」
もう、他の子達もそれぞれのキャラクターにピッタリ似合ってる。
「ピッタリだよ!すごく動きやすい!」
「うん、いいかんじ」
「まぁ、悪くない」
「みんな、よく似合ってるよ!こうして衣装着ると、舞台映えするね!
…って、何してるの、芽李ちゃん」
「むり、むりほんとむり。」
一回止まった涙がまた出そうで天井を仰ぎ見ていると、視界に入ったのは神父様の手。
「メイ、ワタシタチ似合ってないネ?」
「いや、もう‥似合うも何も、まんまで、その、解釈の一致というか、っ、ゆぎくんすごすぎ」
「芽李、泣くなら俺の胸を貸そうか?お前が泣くなんて、耐えられない」
「ティボルトも神父様もカッコ良すぎて無理、」
「抜け駆けなんて許さないぞ、彼女はモンタギュー家が貰い受ける。なぁ、ロミオ。」
「う、ぁと、どうしよう真澄くんっ」
「いくらロミオにだって、カントクは渡さない。」
「ひぃいいい」
ーぱんぱん
手を叩いたのはいづみちゃん。
「ほら、エチュードもいいけどそろそろ芽李ちゃんからかうのも辞めようね。」
「芽李さん、ほらこっち来な。」
「いづみちゃぁ、ゆぎくん」
「すみません、芽李さんの反応が可愛くてつい、」
「急なマキューシオやめてー!綴君はそんなこと言わないー!」
「なんすか、急なマキューシオって。」