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3月9日  【A3】

第6章 丁子桜


 「うーん、ちょっと胴回りがきつめかな」

 ティボルトがだいぶティボルトで、

 「痩せろ」
 「サイズ合わせとは」

 もう、他の子達もそれぞれのキャラクターにピッタリ似合ってる。

 「ピッタリだよ!すごく動きやすい!」
 「うん、いいかんじ」
 「まぁ、悪くない」
 「みんな、よく似合ってるよ!こうして衣装着ると、舞台映えするね!
 …って、何してるの、芽李ちゃん」
 「むり、むりほんとむり。」

 一回止まった涙がまた出そうで天井を仰ぎ見ていると、視界に入ったのは神父様の手。

 「メイ、ワタシタチ似合ってないネ?」
 「いや、もう‥似合うも何も、まんまで、その、解釈の一致というか、っ、ゆぎくんすごすぎ」
 「芽李、泣くなら俺の胸を貸そうか?お前が泣くなんて、耐えられない」
 「ティボルトも神父様もカッコ良すぎて無理、」
 「抜け駆けなんて許さないぞ、彼女はモンタギュー家が貰い受ける。なぁ、ロミオ。」
 「う、ぁと、どうしよう真澄くんっ」
 「いくらロミオにだって、カントクは渡さない。」
 「ひぃいいい」

ーぱんぱん

 手を叩いたのはいづみちゃん。

 「ほら、エチュードもいいけどそろそろ芽李ちゃんからかうのも辞めようね。」
 「芽李さん、ほらこっち来な。」
 「いづみちゃぁ、ゆぎくん」
 「すみません、芽李さんの反応が可愛くてつい、」
 「急なマキューシオやめてー!綴君はそんなこと言わないー!」
 「なんすか、急なマキューシオって。」

 
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