第3章 *アリアーブ・ナーリヤ*
『それはダメ..悪い子だ』
ジャミル『しっかり財布を身につけとけよ』
『ん』
暫く歩いていると、向こうの広場から人のガヤガヤとした声と人だかりが見えてきた
ケイト『ねえ、あっちに人が沢山集まっているよ。なんだろ?』
ジャミル『あの辺りは、芸人たちがパフォーマンスをするスペースになっています』
トレイ『ジャグリングにバルーンアート、パントマイム..色々な芸があって、見応えがあるな』
『凄い..』
マレウス『ん?あそこは一際、人だかりができているぞ』
グリム『うにゃにゃ!?猿がボールに乗ってお手玉をしてる!』
人だかりの中心では、芸人の指示に従い小さな猿が器用に芸を披露していた
トレイ『随分賢くて器用な猿だ。隣にいる芸人が飼い主なのか?』
ケイト『可愛い~♪』
グリム『ふん!あんなの簡単にできるんだゾ。おい、ユウ!やってみろ』
ユウ『なんでよ』
トレイ『グリムは、ユウじゃなくて自分が飼い主だと思っているのか..』
グリム『とーぜんだ。こいつはオレ様の子分なんだゾ』
マレウス『なんと厚かましいモンスターがいたものだ。猿の方がよほど礼儀正しいかもしれないな』
グリム『なにー!ツノ太郎のくせに生意気なんだゾ!』
『グリム、ケンカだめ..』
グリム『ムムム...』
今にも噛みついていきそうなグリムをひょいと抱えると、宥めるように頭をポンポンと撫でる
腕の中で唸っていたグリムの視線と先程の猿の視線が合わさる。すると、猿は小馬鹿にしようにニイッと笑う
猿『キキキッ!』
グリム『あの猿、オレ様のことを笑ったんだゾ!馬鹿にしやがって!』
カリム『まあまあ、そう怒るなよ。どうだ?熱砂の国は見所いっぱいだろ?』
ケイト『うんうん。レトロなテントにカラフルな野菜や果物。マジカメ映えする物ばかりでサイコー!』
トレイ『ああ。珍しい料理も沢山食べられたしな』
マレウス『熱砂の国の人々の活気に触れることができて、とても良い経験になった』
カリム『そっかー!良かったなー!ジャミルの案内のおかげだな。でも..そんなに楽しんでもらえたなら、やっぱりリリアにも来てほしかったなぁ』
『リィさん..』