第3章 *アリアーブ・ナーリヤ*
マレウス『リリアは旅行が好きなんだ。茨の谷にいた頃から、よく1人で外国に行っていた。殆ど茨の谷を出たことのない僕にとって、リリアの旅の話はとても新鮮なものだった。毎回変わった土産物を買ってきてくれるのも楽しみで、貰う度にとても嬉しくてな。
だから今回は、僕からリリアに土産を渡したいと思っている。今までの礼だ』
ユウ『名案だね、ツノ太郎』
『リィさん、きっと喜ぶよ』
マレウス『そう言ってくれるか。ならば是非、お前の意見も聞かせてほしい』
カリム『ユウたちもこう言ってるんだ。オレもリリアへのお土産を渡そーっと!』
かくして全員がリリアへの土産を買うことを決定した
ジャミル『このザハブ市場でならいいものを見つけられると思います』
ユウ『そうしましょう』
ジャミル『それでは、お土産物探しを開始しましょう』
それぞれがリリアへの土産を選ぶ中、ユウとは二人手を繋ぎながら何を買うかを探していた
『ユウ..リィさんは何が好きかな?』
ユウ『ケイト先輩たちは楽器のあるところに行ったね。僕らは..そうだな』
『あっ、これ、いいかも』
ユウ『どれどれ..お茶の葉かぁ。いいね』
二人が見つけたのは紅茶の茶葉の専門店だった。色々な種類の茶葉が並んでおり、辺りからは紅茶の優しい匂いが広がっていた
ユウ『どれにするの?』
『んとね..あんまり苦くないの』
ユウ『それなら..これとかどうかな?甘めで初めての人にオススメって書いてある』
『ん、これにする。リィさんと飲むの。あ、でも..ちょっと高い』
ユウ『これくらいなら僕も出せるよ。半分ずつお金だそうか』
『いいの?』
ユウ『勿論。それに、これで二人からのお土産ってことでも渡せるしね。一石二鳥だよ』
『ありがと』
ユウ『戻りました~』
『買えた』
ケイト『お帰り~♪何買ったの?』
ユウ『紅茶の茶葉です』
『二人で買った』
トレイ『いいな。もしそれでお茶会をするなら言ってくれ。合うお菓子を作って差し入れるよ』
『やった..ケイさんたちは?』
ケイト『オレとカリムくんも二人で買ったんだけど..じゃーん!熱砂の国のお菓子』
ユウ『あれ?楽器じゃなくなってる』