第3章 *アリアーブ・ナーリヤ*
熱砂の国・ザハブ市場
そこは先程までのオープンな広場ではなく、細い道がいくつも連なる入り組んだ裏路地のような場所だった
そこにも様々な市場が軒を連ね、布やランタンなどの品が置かれていた
トレイ『さっきとはまた違う市場に来たな。こんな場所にマレウスが1人でいるのか?』
ジャミル『はい、間違いありません。すぐ近くにいるはずです』
そう言って見渡していると、向こうから見知った顔がこちらに気づいて近づいてきた
マレウス『みんな、どこへ行っていたんだ。随分探し回ったぞ』
ケイト『マレウスくん!?うわっ、ほんとにいた!』
トレイ『やれやれ..いきなりいなくなるから、何かあったら大事だと心配したよ』
ケイト『マレウスくんが怪我をしたりするとは思ってなかったけどね~』
トレイ『寧ろ、絹の街が無事で良かった』
マレウス『どういう意味だ、それは..っと、』
ムスッと顔をしかめるマレウスに、は小走りで抱きついた
『心配した..』
マレウス『不安にさせたか。すまなかった..』
優しく撫でられると、甘えるように胸に埋めた顔をスリスリと擦り寄せる
ジャミル『ともあれ、何事もなかったようですね。ホッとしました』
カリム『みんなと合流できて良かったな~、マレウス!』
突然マレウスの背後から追いかけるようにして現れたカリムに、ジャミルは思わず大声で"どうしてここに!?"と驚いた
ジャミル『花火大会の主催者として、挨拶回りをしてたんじゃないのか?』
カリム『思ったよりも早く終わってさ~。折角友達が来ているんだから遊んでこいって、とーちゃんが言ってくれたんだ。ジャミルたちに合流しようと思ってたら、マレウスが1人で歩いててビックリしたよ!』
トレイ『成る程。偶然出会えたのは幸運だったな』
『カリムさんだ』
カリム『おう!やっぱその格好綺麗だな!、こっち来いよ!』
両手を広げるカリムの胸に飛び込むと、力強く抱き締められ、頬同士をスリスリさせる
『~♪やっと会えた、嬉しい』
カリム『オレも!熱砂の国は楽しんでるか?』
『ん!楽しい』
カリム『そっか、良かったな!』
ユウ『ツノ太郎、ドンマイ』
マレウス『...』