第3章 *アリアーブ・ナーリヤ*
この短時間のうちにナジュマとだいぶ打ち解けた様子に、ユウたちは驚きつつも、良かったと心から安堵した
ナジュマ『それじゃあ、』
『待って..えと..』
ナジュマ『?』
『ま、またね..楽しかったよ..ナ、ジュマ..ちゃん//あり、がと』
ナジュマ『!!っ~~!!可愛い!!』
たどたどしくも名前を呼ばれ、頬を染めながら必死に言葉を紡ぐに、ナジュマはブワッと歓喜が体を駆け巡り、思わず駆け寄って抱き締めた
『きゃぅっ!!』
ジャミル『こ、こらナジュマ!』
ナジュマ『だって可愛いんだもん!!さん可愛い過ぎ!!』
『ぁぅ~..//』
ナジュマ『(ちっちゃい、可愛い、良い匂いもする)はぁ~満足した!あっ、そうだジャミル』
ジャミル『なんだ?』
ナジュマ『ーーーーーー』
ジャミル『なっ..//!』
ナジュマ『みなさん、今度は家にも遊びに来てください。それでは、また!』
満足するまで抱き締めた後、上機嫌で離れると最後にもう一度ジャミルの元へと行き、耳元で何かを囁くと、市場の奥へと歩きだしていった
ケイト『じゃあね~♪っと、ジャミルくん、何言われたの?顔真っ赤だよ?』
ジャミル『へ?あ、いや..別に大したことじゃないです。つ、次はどこに向かいますか?』
赤くなった顔を誤魔化すようにそっぽ向きながら話題を変える。しかし全員、それよりも別のことに気がついた
トレイ『..ん?マレウスはどこだ?』
辺りを見渡すも、それらしき人はどこにもいなかった。その事実にジャミルの顔が今度は真っ青に染まっていく
ジャミル『..いない!!!』
ケイト『えーっ!?マレウスくんが迷子になっちゃったってこと!?』
トレイ『マレウスが事件に巻き込まれたりしたら、熱砂の国と茨の谷の外交問題に発展するぞ!』
ユウ『ツノ太郎!?どこ行っちゃったの?』
『迷子、どうしよう..』
狼狽える一同であったが、ジャミルは一度深呼吸し頭を回転させると、幾分か落ち着いた様子で笑みを浮かべる
ジャミル『心配するな、ユウ、。俺に任せろ』
ユウ『どこか思い当たるところが?』
ジャミル『ああ、多分あそこだ。みなさん、着いてきてください』