第3章 *アリアーブ・ナーリヤ*
ナジュマ『お待たせしました~!』
『ただいま』
ケイト『おっ、お帰り二人とも。良いの買えた?』
ナジュマ『はい』
ジャミル『随分長かったな。大方、お前の悩み時間が長かったんだろうが。変なことはなかったか?』
ナジュマ『うん、大丈夫』
ユウ『も買えた?』
『ん』
良かったね、と撫でられる感触に目を細めた後、ジャミルの元へと近づき、髪をまとめるリボンを見せる
『これ、可愛い?』
ジャミル『ああ、似合ってる。これを買ったのか。衣装と同じ色じゃなくて良かったのか?』
『ん..だって、この色、ジャミさんみたいだったから』
ジャミル『え..』
『だから買っちゃった..えへへ』
ジャミル『っ..!!そ、そうか。俺の、色、だから..か』
ナジュマ『(うわ、分かりやすい)その色、伝説の魔術師のイメージカラーなんですよね。さんの瞳の色も赤だから、凄く似合ってます』
『んふふ..』
明らかに気分の上がったジャミルを、二人でニコニコと見つめていると、ふと市場の時計が目についたナジュマは、あ!と声をあげた
ナジュマ『もう、こんな時間じゃん!私、ここでお別れするね』
ケイト『え~、折角だし、一緒に回ろうよ。映えスポットも、もっと沢山教えてほしい!』
ナジュマ『あはは!ありがとうございます。でも友達と連絡がついたので、今から合流します。昼間はこっちに来ちゃって遊べなかったから、夜の花火は一緒に見なくっちゃ』
ジャミル『羽目を外しすぎるなよ』
ナジュマ『もー!お父さんたちみたいこと言わないで』
ジャミル『..まあ、それもそうだな』
ナジュマ『..あ、今日は家に帰ってくるよね?』
ジャミル『勿論。祭りが終わって、みんなをカリムの家まで送ったら戻るよ。明日には学校に帰るけどな』
ナジュマ『それじゃ、カレーを用意して待ってるね!屋台料理を食べ過ぎないでよ。
みなさんも、ヤーサミーナ河 花火大会を楽しんでくださいね』
ユウ『ありがとね、ナジュマちゃん』
ナジュマ『いえいえ。あ、さん』
『ん?』
ナジュマ『また、一緒にお買い物したりして遊びましょうね』
『...ん、遊ぼ』