第3章 *アリアーブ・ナーリヤ*
真隣にいることではっきりとみえるの愛らしい風貌に、うっとりとした様子で見つめていると、その手に濃い赤色のリボンの髪どめを手にとり、微笑んでいることに気づいた
ナジュマ『それ、気に入りました?』
『ん..ジャミさん、みたい』
ナジュマ『確かに、あいつの好きそうな色』
『買う』
ナジュマ『分かりました。あっ、もしかしてこれつけてジャミルを喜ばせようとしてます?』
『ん』
ナジュマ『きっと凄く喜びますよ♪』
『えへへ..そう、だといいな』
ナジュマ『(可愛い)』
ナジュマ『ごめんなさい。私、選ぶの長くて。退屈じゃなかったですか?』
『ううん、いっぱい見れて楽しかった』
ナジュマ『良かったぁ。あ、リボン、早速つけませんか?私、結んであげますよ』
『...ん、お願い』
買い物を終えた二人は、店を出る前にリボンだけつけてしまおうと思い、少し外れたところで袋を開封した
ナジュマ『ちょっと我慢してくださいね..これを髪に巻き込んで外れないようにっと..』
『...ごめん』
ナジュマ『?何がですか』
『ずっと、避けてて..やな気分になったでしょ?』
ナジュマ『いいえ、そんなことないですよ。それに、人見知りって別に悪いことじゃないと思うんです。誰彼構わず信用するより、まずは疑って相手を見る方が、安全だし賢いと思います』
よし、出来た、とリボンを結び終えると、の黒髪に映える赤いリボンが風に揺れていた
『ありがと』
ナジュマ『これ見たら、ジャミルのやつも少しは機嫌直るかな』
『ジャミさん、怒ってる?』
ナジュマ『というより、多分嫉妬してるんですよ。こんなに可愛いさんを、独り占めできない上に、他のみなさんにばかり取られてるって思ってるから』
『やっぱりヤキモチ..どうしたら、いいかな』
ナジュマ『あいつ結構単純なところあるんで、好きの一言でも嬉しがると思うんですけど。そうだ、花火の時に今日頑張ったことを褒めながら頬っぺにキスでもしちゃえばどうです?多分舞い上がりますよ』
『喜んでくれるかな?』
ナジュマ『はい。花火っていうシチュエーションも合わさって、きっとご機嫌になります』