第3章 *アリアーブ・ナーリヤ*
トレイ『果物、花、日用品みたいに、売っているものごとに店同士が集まっているんだな』
マレウス『この辺りは何を売っている場所なんだ?』
ナジュマ『ここは、ナッツやドライフルーツを売っているお店が集まっています。どちらも熱砂の国の定番おやつで、老若男女問わず人気があるんですよ』
『ユウ、あれなに?』
ユウ『ええっとあれは..デーツだね』
『でーつ?』
トレイ『ナツメヤシのことだな』
ナジュマ『あ、それ私の大好物なんですよ!ドライフルーツにして食べるのが定番なんです。ジャムとかゼリーも売ってます。あとシロップとかにしても美味しいの』
『美味しい?』
ナジュマ『!!はい!美味しいですよ!』
少し慣れてくれたのが酷く嬉しかったのか、少し興奮気味に頷く
そんなナジュマの後ろで、ジャミルは今度は別の店主に声をかけられ、昔大暴れしたことを暴露した。そして更に細かい話をしそうになったとき
ジャミル『あああ!やめてください!余計なことを言われるぐらいなら自分で説明します!』
ユウ『(ワクワク..)』
ジャミル『じ、実は..昔、少しトラブルを起こしてしまいまして..』
ケイト『ジャミルくんが?ちょっと信じられないかも。いつも慎重なのに』
トレイ『ああ。一体なにがあったんだ?』
ジャミル『..子供の頃は、俺もデーツが大好きでした。ナジュマと一緒に、よくこの店でデーツを買っていたんです。しかしある時、受け取った商品に混ざっていたんです..
む、虫がっ!!!!』
『『虫?』』
ジャミル『あいつは何食わぬ顔をして、さも自分もデーツの仲間ですみたいな様子で、俺の手の中に..それで、余りにビックリしてつい魔法を使ってしまいました』
ケイト『どんな魔法?』
ジャミル『..火です』
?『虫を退治するつもりで、うちの店のシェードを焼いちまったってわけさ』
ケイト『わあ..ジャミルくんって意外と過激』
ジャミル『と、当時はまだ小さくて!上手く魔法の制御が出来なかったんです!』
?『シェードは焦げたくらいで済んだけど..その後、ジャミルを宥めるのが大変だったよ。もう、べしょべしょに泣きながら暴れてなあ~!』