第3章 *アリアーブ・ナーリヤ*
みなさんもぜひ、とジャムの瓶を手に取り、蓋を開けて差し出すと、トレイたちはそれぞれジャムをつけてちぎったパンを食べ始めた
ユウ『はい、。あーん..』
『ぁ..ん..これも美味しい』
ユウ『甘いね』
ナジュマ『私も、いただきまーす』
ジャミル『ナジュマ、食べる前にちゃんと手を拭け。ほら、ウエットテイッシュだ』
ナジュマ『もー、子供扱いしないでよ!』
それから、ジャミルたちの家のパンにちなんだエピソードや、悪いものをはね除ける逸話を持つ大きな壺の話、そしてその中にグリムが落ちるというアクシデントがありつつも、一行はバザールを巡っていく
『喉、渇いた..』
ユウ『お昼になって日差しが強くなってきたからかもね』
ナジュマ『それなら、ココナッツジュースでも飲みませんか?』
『ジュース...』
ジャミル『よし、行きつけのココナッツジュース店がある。そこへ行こう』
ジャミルの薦めの店につくと、知り合いらしい店主からココナッツを受けとると、全員に手渡していく
『ん...あ、美味しい』
ユウ『さっぱりでいいね』
ジャミル『美味いか?』
『ん』
ジャミル『良かったな』
?『へえ~。ジャミルくん、今年は彼女連れなんだね』
ジャミル『はあっ//!?い、いいえ、別にそういう関係じゃ..』
?『違うのかい?そりゃ残念だなぁ。ついにジャミルくんに彼女が出来たか~と思ったんだけど。気づいてないかもしれないけど、ジャミルくん物凄く優しい顔してたよ』
ジャミル『っ..//』
?『はっ、もしかして現在進行形でアタック中だったかい?いやいや、お邪魔してごめんよ』
ジャミル『違いますからっ//!!』
『....』
ケイト『ちゃん、よっぽど気に入ったんだね。さっきから目がキラキラしてる』
『美味しい..あ、でも飲み終わっちゃった』
ジャミル『はぁ..疲れた』
店主との会話を逃げるように終えて戻ってきたジャミルは、気のせいかだいぶげっそりとしてきていた
『ジャミさん、これ中は食べられる?』
ジャミル『え?あ、ああ、中の果肉も食べられるぞ』