第3章 *アリアーブ・ナーリヤ*
ケイト『あれっ、ジャミルくん、どうしたの?魚みたいに口をパクパクさせちゃって』
ジャミル『ナ、ナ...
ナジュマ!!??』
ジャミルとナジュマと呼ばれた少女の関係に頭の上に?を大量に浮かべるユウたち。それをよそに、ナジュマはジャミルへにっこりと笑いかける
ナジュマ『おかえり、ジャミル』
ケイト『..えーと、ジャミルくん。こちらの女の子とお知り合いみたいだけど、どこのどちらさま?』
ナジュマ『初めまして、みなさん。私、ナジュマ・バイパーっていいます』
マレウス『バイパー?』
トレイ『まさか..』
ナジュマ『全然似てないと思うんですけど、一応コレの妹です』
『『『ええええ~~っ!!??』』』
突然の妹の登場に驚愕の声をあげる。一方、コレと指差されたジャミルは、すぐにその手を掴み下ろさせた
ジャミル『兄に向かってコレとはなんだ!いや..それより、どうしてここに?』
ナジュマ『私だって、来たくて来たわけじゃないわよ』
不服そうにジトッとした目を向けると、その目は驚くほどにジャミルにそっくりだった
ケイト『うわ!その目付き、ジャミルくんにそっくり!あはは、同じ顔が2つ並んでる。可愛い~♪』
トレイ『ああ。確かに、兄妹だな..』
ナジュマ『父さんから、伝言を頼まれたの。結構探したんだからね。花火大会で、みんなが座る招待席の場所が、変更になったんだって。
私がメールしておくから平気だよって、父さんに何度も言ったんだけどさあ..』
ジャミル『ああ。携帯に届いていたから、もう読んだよ。返信だってしただろ』
ナジュマ『なのに結局、本当に大丈夫か?やっぱり直接言わなくちゃ心配だ!って言って聞かないの。仕方ないから、渋々探しに来たってわけ』
ジャミル『..父さんは、あまりパソコンとかスマホに詳しくないからな』
ナジュマ『優しい妹がわざわざ来てやったのに!感謝しても、バチは当たらないと思うけど?』
ジャミル『そうだったのか..それは悪かったな。以上、よし、終わり。これで用は済んだな。それじゃあさっさと家に戻れ。俺は今、忙しいんだ』
ケイト『あ!そうだ。ナジュマちゃんもオレたちと一緒に観光しない?』