第1章 *ハッピービーンズデー*
逃げていくユウたちに、ムチの手が容赦なく襲いかかる。走りに追いつけなくとも、ムチのリーチがあることで、ケイトたちが圧倒的に不利な状況にあった
ユウ『はあっ、に捕まるならっ、もう、いいかなぁ...』
ケイト『ユウちゃん諦めないで!?』
グリム『お前が諦めるとオレ様も失格なんだゾ!!』
『むぅ..3人ともすばしっこい..ん?』
3人を追いかけていたの視界の端にある人物が見え、その人物が手招きしていることに気づき、は足を止めた
『....後でもいっか..』
足を止めた自分に気づかずに、まだ走っていく3人を横目に見送ると、静かに方向を変えて、手招きする方へと駆けていった
『アズさん、ジャック!』
アズール『あぁ、さん!ご無事で何よりです。良かった、貴女をずっと探していたんですよ』
ジャック『よく走りながら気づいたな』
『ん。それにジャック、私の事呼んだでしょ?その声も聞こえてたよ』
ジャック『流石兎ってところか』
アズール『農民チームのユウさんを見かけたのでもしやと思ったのですが。やはり貴女は怪物チームだったんですね』
『ん、ちょっと複雑だし、ユウと一緒が良かった』
アズール『しかし僕からすれば、狩りを楽しんでいるように見えますが?』
『...分かる?』
ジャック『気づいてねぇかもしれねぇが、今のお前すげぇ目がギラギラしてる』
アズール『貴女はただの兎ではなく、狩りを好む獰猛な兎なようですね』
『んふふ..追いかけるのって楽しい』
その笑みは純粋に楽しいという中に、牙を剥き出して今にも暴走しそうな危険な影が仄かに滲み出ていた
そんなに、二人は内心恐ろしいと思いつつも、心強く頼もしいとも思っていた
アズール『楽しんでいるようで何よりです。どうです?このまま僕らとチームを組みませんか?』
『ん、いいよ。ジャミさんが心配だけど、多分今戻っても足手まといになる。だから、今出来ることをやる』
アズール『素晴らしい。では、購買へ着いてきてくれますか?』
『ん』