第3章 *アリアーブ・ナーリヤ*
ジャミル『ドーム状の屋根や、シンメトリー構造など、アジーム邸と類似してる点も多いんだ』
カリム『とーちゃんが、熱砂の国の建築士に頼んだって言ってたぜ!』
ジャミル『カリムが学園に編入したとき、寮全体を改装したんだ。勿論、支払いは全てアジーム家』
グリム『どんだけ金持ちなんだ!?』
その後、屋根の形状が食べ物に見えると言い出したグリムにつられ、トレイやマレウスが各々想像する形状を言い合っていると、そろそろ中に入って荷物を置いていこうという話になった
カリム『あ、みんな、ついでに着替えてこいよ!』
『『『着替え?』』』
カリム『おう。実は、みんなに熱砂の国の伝統衣装を用意したんだ』
『『『えっ!?』』』
カリム『みんなに思い出に残る一日を過ごしてもらうためにはどうしたらいいかって、昨日ジャミルと話し合ったんだ』
ジャミル『差し出がましいかとは思ったのですが..折角熱砂の国にお越しいただきましたから。ヤーサミーナ河 花火大会を楽しんでもらうために、是非熱砂の国の歴史を感じていただければと思い、ご用意しました』
マレウス『さっきアジームが言っていたお楽しみというのは、この事だったのか。気が利くな』
ケイト『こんなサプライズ嬉しすぎ!ありがとう、カリムくん、ジャミルくん』
トレイ『このまま制服でいるのも、暑くて大変だったしな。助かる』
カリム『ジャミルも着替えてこいよ。ついでに、みんなを案内してくれ。オレとグリムはここで待ってるからさ』
ジャミル『分かった』
軽く頷いたジャミルの側で、グリムは何故自分も待ってなくてはならないのかと問うと、人間以外のサイズを1日では調達出来なかったためだと返され、納得いかないと憤慨した
しかし、カリムが車にジュースや飲み物があるから好きにして良いと言うと、あっさり手のひらを返し上機嫌になった
ジャミル『ではみなさん、フィッティングルームにご案内します。あ、荷物は、使用人がお持ちしますので、預けてください』
トレイ『..一般家庭出身の身からすると、この仰々しい扱いに慣れなくてソワソワする』
ユウ『じゃあ、着替えてくるから待っててね』
グリム『おう、行ってこい』
『お洋服..楽しみ』
『『『(可愛い..)』』』