第3章 *アリアーブ・ナーリヤ*
『??』
ユウ『この公園は、カリム先輩のお家のものなんだって』
『そうなんだ。すごいね』
マレウス『随分と明るく開放的な庭だな』
ジャミル『ここは、アジーム邸から近いので、休憩時間によく来ましたよ』
ケイト『仕事の合間の息抜きだね。何をしてたの?』
ジャミル『特に..木陰でぼんやりと休んでいました』
カリム『え~?よくダンスの練習をしてたじゃないか』
ジャミル『..待て。ちょっとした空き時間にここで踊っていたりはしていたが..何故それを、カリムが知っている!?』
カリム『警備カメラに映ってたぜ?』
『何でカメラ?』
カリム『ジャミルがよくここに来るのは知ってたんだけど、広いし見つけるの大変だから、管理人さんにカメラを使って探してもらってたんだ』
ジャミル『公私混同するな!』
カリム『ジャミルは音楽をイヤホンで聞きながら、1人でノリノリで踊ってただろ?それをモニターで見てると、オレも踊りたくなってくるんだよな~。
だからすぐにジャミルの所に駆けつけて、一緒に踊ったりしてたんだ!』
ジャミル『道理ですぐに見つかるわけだ。まさか管理人とグルになっていたとは..』
ユウ『乙です』
その後もカリムは昔の思い出を楽しそうに語る横で、ジャミルの苦労話も同時に語られ、一同は苦労性の彼に同情せざるをえなかった
カリム『あ!楽しく散歩してる間に、オレの家に着いたぞ!』
熱砂の国・カリムの家
目の前には、豪華な装飾で彩られたまるで城のような屋敷があり、遠目からでも視認できたその大きさは、近くまで来るともはや圧倒されるものだった
カリム『学園のみんなが来てくれて嬉しいな..あれ、どうした、みんな?黙り込んじゃって?』
『『『で、でかいっ!!』』』
トレイ『まさか、この目の前にある宮殿が..?これが本当に個人宅なのか!?』
ジャミル『街の住人たちからは、アジーム御殿と呼ばれています』
ケイト『そりゃこんだけでかけりゃね』
『キラキラで大きくて..』
ユウ『素敵だね』
『ん!それに、なんか..スカラビア寮に似てる』
ユウ『言われてみれば』
ジャミル『あぁ。あそこも熱砂の国の建築様式で、造られているからだろう』