第3章 *アリアーブ・ナーリヤ*
ジャミル『そ、そうですか..安心しました』
ケイト『よく考えれば、マレウスくんが静かなのは、いつも通りだよね~』
トレイ『早とちりか..やれやれ』
グリム『んじゃツノ太郎は何を見てたんだ?面白いもんでもあったのか?』
マレウス『ただ、外の景色を見ていただけだ。なにせ、僕は車に乗るのが初めてだからな』
『『『えええーーーっ!!??』』』
マレウス『茨の谷には、機械仕掛けのものは殆んどない。それに飛んだ方がよほど早いからな。わざわざ地を這う機械など、使う必要はないと思っていたが..乗ってみると、広いし、中々快適だな。悪くない気分だ。
これならば、お前たちがよく車を使うのも合点がいく』
ユウ『そういえば、は車に乗るのは初めてじゃないの?』
『初めてじゃないよ。お出掛けの時は絶対車だった。他のは危ないからって』
トレイ『確かに公共機関を使うと何かの拍子で身バレするかもしれないからな』
『でもこんなフカフカで広い車は初めて..んふふ』
マレウス『気に入ったのか?』
『楽しい』
マレウス『アジーム、この車は買えるのか?』
カリム『え?まあ、業者に頼めば..買ってどうするんだ?』
マレウス『に贈る』
『『『はぁぁぁぁ!!??』』』
本日2度目の絶叫が車内に響き渡る。一方マレウスは何かおかしいのかと言わんばかりに首を傾げた
マレウス『好意を抱く相手に贈り物をするのがそんなにおかしいのか?』
ケイト『いやいや、贈り物は良いけど車!?しかもこんな高級車を!?』
マレウス『価格のことなら心配するな。これぐらいなら僕でも買えるだろう』
ケイト『いやそうじゃくて!』
カリム『なるほどな!そういうことなら、後でとーちゃんにどこで買ったか聞いてみる!』
ジャミル『聞かなくていい!!』
ユウ『ツノ太郎、車買うのはちょっと無しにしよう?』
マレウス『?何故だ。、お前は僕から車を贈られたら迷惑か?』
『...ううん。でもね、こういう車は今日みたいな特別な日に乗るから楽しい。だから、私は持ってなくていい..折角なのに、ごめんね』