第3章 *アリアーブ・ナーリヤ*
ジャミル『気温もそうですが、日差しも強いです。気をつけてください』
ケイト『しっかり日焼け止めを塗っておかないとね。ちゃんにも塗ってあげるよ♪』
『ありがと』
トレイ『俺もみたいに帽子を被ってくるべきだったな』
ケイトに日焼け止めを頬に塗られるの頭には黒の帽子が被っており、小さなウサギ耳がすっぽりと隠れていた
ユウ『大勢の前へ出るんだから、しっかり耳は隠しておかないとね。身バレしないようにって被ってきたけど、ちょうど良かったね』
『ん..でも、暑い..うみゅ~..』
ケイト『うっは、ちゃん頬っぺたムニムニ~♪めっちゃ気持ちいい』
『ケイしゃ..ひゃめれ..』
余りの柔らかさに好き勝手に触られたことに抗議の声をあげると、ごめんごめん、と悪びれのない謝罪と共に解放された
ケイト『ねえねえ、ここはなんて街なの?』
ジャミル『ここは絹の街です』
カリム『オレたちの生まれた街だよ』
ケイト『ここが絹の街かぁ。ガイドブックにも載ってたよ』
石造りの建物に早速スマホで写真を撮りまくるケイトの後方で、グリムは街中に流れる川に近寄っていった
グリム『お~い!こっちに川が流れてるんだゾ。涼しくて気持ちいい~~。あ!あそこで水しぶきが上がった!魚がいるのか?』
トレイ『おい、グリム。あまり運河に近づくな、危ないぞ』
グリム『にゃははっ、バカにすんなよトレイ!オレ様、そんなマヌケじゃねーんだゾ』
トレイの心配をよそに川岸でピョンピョン跳ねていたグリムだったが、次の瞬間足を滑らせ案の定運河に転落した
グリム『うなーーーっ!!!』
『落ちちゃった..』
ユウ『言わんこっちゃない』
?『..危ないから、ペットが運河に飛び込まないように、注意するんだよ!』
運河を渡っていた船に助けられ、グリムは事なきを得た。トレイたちからの注意を受けながら、ジャミルが持ってきたタオルでワシワシと拭かれ、不服そうにボヤいていると、いきなり両頬を摘ままれ左右に思いっきり引き伸ばされた
『悪い子はムニムニの系..』
グリム『ふに"ゃぁぁぁぁ!!!』