第3章 *アリアーブ・ナーリヤ*
寂しげに呟かれたその言葉に必死で弁解の言葉をかけるジャミルの後ろで、ゴゴゴ..と地を揺らすような音が微かに聞こえ始める
トレイ『なあ、遠くで雷の音が聞こえないか?』
ケイト『オレも聞こえるよう~..さっきまで晴れてたのに』
グリム『ツノ太郎の顔がどんどん怖くなってくんだゾ~!』
学園長『ドラコニアくんから聞いたのですが、3時間前からここに立って、待っていたようですよ』
ユウ『めっちゃ楽しみにしてたんだね』
徐々に不機嫌になっていくマレウスにハラハラする一同。そんな中、1人の影がマレウスへと近寄っていく
『マ..ツノ太郎..リィさんが来れないのは残念だけど..私、ツノ太郎が来てくれて嬉しいよ。一緒にお祭り回るの、楽しみ..』
マレウスの手を包み込むように握り、無垢な笑みを浮かべると、マレウスの表情が段々と穏やかなものになっていく
マレウス『..僕もお前と祭りを回れるのを楽しみにしていた』
ユウ『あ、雷やんだ』
ケイト『ちゃん流石ぁ..』
トレイ『日頃から争いを止めまくってるからな。マレウスの扱いもお手の物って感じだ』
学園長『それでは、みなさん、行ってらっしゃい!あ、休暇中にトラブルが起こっても、私には全然関係ありませんからね!』
ジャミル『どうやら今年のヤーサミーナ河 花火大会は波乱に溢れた祭りになりそうだ』
グリム『それじゃ、熱砂の国へレッツゴーなんだゾ!』
ジャミルの苦労も知るよしもなく、一同は闇の鏡を通り抜け、熱砂の国へと旅立っていった
熱砂の国・絹の街
初めて踏み入れたそこは澄みきった青空が広がり、燦々と太陽が照りつけていた。色とりどりのテントを張った出店が軒を連ねていて、観光客であろう様々な人種が街中に溢れ返っている
カリム『うーん!日差しがすっげー!熱砂の国に帰って来たって感じだ~!』
ジャミル『お互い帰省のタイミングがなかったからな』
ユウ『ここが熱砂の国なんですね!すごい!砂漠の中に街がある!』
『広くて、キレイ..』
ケイト『学園に比べると、やっぱり暑いね~。いきなり汗が吹き出してきたよ』
照りつける日差しにケイトの首筋に汗が流れ落ちる。ユウたちの額もじっとりと汗が滲み出始めた