第2章 *ゴーストマリッジ*
『ありがと..//ねぇ、可愛い?』
ヴィル『ええ。キレイで、とても可愛いわ』
化粧がつかないように軽く抱き締められ、耳元でヴィルの艶やかな声が囁かれる
ヴィル『このまま拐っていきたくなる..』
『ヴィルさん?』
ヴィル『誰にも触れられないところに閉じ込めて、あたしだけのウサギになってほしいって言ったら..?』
『..嬉しい』
ヴィル『(何も分かってないわね..それがどんな意味なのか)さあ、あいつらに見せてやりましょ。外で学園長が待ってるわ』
学園長『いやぁ、私の見立ては間違いなかったようですね。とても綺麗ですよ、さん』
『ありがと、クロさん。それと、ドレスもありがと』
学園長『良いんですよ。今日は貴女も頑張りましたし、何より興味があったでしょう?ウェディングドレス』
『ん。覚えててくれて嬉しかった..みんな褒めてくれるかな?』
学園長『それはええ勿論!きっと大喜びになって、沢山褒めてくれますよ』
『クロさんも?』
学園長『私ですか?...ええ、貴女のそんな美しい姿を見られて、とても幸福ですよ。このまま式場にでも..』
ヴィル『学園長、早く大食堂に行きなさい。きっと今頃を心配して騒いでるわよ』
まるで鋭いカラスの爪のような手で、その身を拐うようにへと伸ばされた腕を、追いかけてきたヴィルが強めに掴む
学園長『そうでしたね。それではどうぞ、お入りなさい、麗しき姫君..』
恭しく頭を下げたクロウリーは、大食堂のドアに手をかけるとゆっくりと押し開けた
『『『へ...???』』』
『みんな、どうかな?似合う?』
次の瞬間、大絶叫が学園中を駆け回った