第2章 *ゴーストマリッジ*
学園長『(歪んだ愛..ですね)さ、お喋りはここまでですよ!!それぞれ持ち場を片付けてきてください!!』
パンパン!と手を叩くクロウリーの掛け声で、各々文句を言いながら散開することになった
学園長『ああ、シェーンハイトくん。少し良いですか?』
ヴィル『何かしら?』
学園長『少々手を貸してくれませんか。今日頑張った花婿たちと、憧れを抱く姫君..どちらにもご褒美をあげたいのですよ』
ヴィル『???』
学園長『さん』
『なぁに?』
学園長『貴女の望みを叶えてあげましょう』
『ん?』
空き教室
ヴィル『こら、動かないの』
『ごめん、くすぐったくて』
静かな大食堂の近くの空き教室。ヴィルは机いっぱいに広げた化粧道具を手に取り、に化粧を施していた
ヴィル『あんたは素材が良いし、目鼻立ちもしっかりしてるから、薄いナチュラルで充分ね』
『...まだ?』
ヴィル『まだよ。後はリップ...でも、その前に』
『んっ..//』
ヴィルの端正な顔が近づき、優しく、それでも少し強引に唇を奪われる。顔を離した彼は妖艶に微笑み最後に軽く啄むようなキスをした後、その唇に筆を滑らせた
ヴィル『出来たわ..良い仕上がり。さすがあたしだわ』
『わぁ..凄い』
手鏡の中の自分に感嘆の声をもらす。そこにはウェディングドレスに身を包み、化粧も完璧に施されたが映っていた
Aラインタイプの白を基調とし、所々黒の差し色が入ったドレスは、サイズもぴったりでの愛らしさと美しさを更に引き上げていた
『..素敵』
ヴィル『学園長もたまには良いこと考えるわね。確かにあんたのそんな姿見たら、喜ぶの一言じゃ済まないだろうから』
『これ、どこから用意したのかな?』
ヴィル『購買よ。あそこ、本当になんでも売ってるのね』
立ち上がらせ、ドレスのシワ調整などを済ませたヴィルは、よし、と満足そうに頷いた
ヴィル『これで完璧。
...、キレイよ..本当に』
うっとりとした視線を向けられ、は少し恥ずかしそうに頬を染めた