第5章 *LIB ナイトメア・ビフォア・クリスマス*
3人の気持ちは他の面々も同じように感じているようで、その気取った態度の裏に若い少年のようなあどけなさと幼さがあるような目の前の青年に、やけに馴染み深さを覚えて自然と笑みがこぼれた
ジャミル『なんだか..この肖像画を見ているうちに、ハロウィーンがいっそう楽しみになってきました』
学園長『えっ、本当ですか?やはり貴重な肖像画は影響力が違うんですねえ』
ジャミル『はい。ナイトレイブンカレッジのハロウィーンが楽しく、盛り上がるように、全力を尽くします』
レオナ『単純な野郎だ..と言いたいところだが..手伝ってやってもいいぜ。今は馬鹿みたいに騒ぎたい気分なんでなぁ』
セベク『はっ!貴様らの出る幕などない。今年のハロウィーンは..この僕が、いまだかつて誰も見たことのないほど、賑やかで、派手で、豪勢なものにしてみせよう。
…ハロウィーンの王に誓ってな!』
もうすぐ始まるハロウィーンへの期待が高まり、自然と心がワクワク踊り始める。既に半分浮かれている感情をそのままに、今年のハロウィーンを必ず成功させるという意志の元に、一同は明日も続く準備に気合を入れ直した
ユウ『先輩たちみんなやる気全開って感じじゃん。珍しいこともあるんだね。まあ、かくいう僕らもすごく楽しみだけど..ね、』
『......』
ユウ『?』
ワイワイとはしゃぐ彼らをよそに、はずっと肖像画の青年から目を離せなかった
知らないはずなのに知っている気がする
聞いたことないはずなのにその声を知っている気がする
触れられたこともないのにその温かさを知っている気がする
なにより、彼が心からハロウィーンを愛し、そのためにどんなことでも出来てしまう、優しく、強く、少し困った人物だと何故か思ってしまうのが不思議でたまらなかった