第5章 *LIB ナイトメア・ビフォア・クリスマス*
先にマレウスが行ってしまったことで、セベクも急いで後を追おうと前へ進み出て、終わりのない真っ暗闇の先を見つめる
セベク『こうしてはおられん。残っているのは僕たちだけだ。行くぞ、スカリー!』
スカリー『....』
セベクが進み出たことでジャミルたちも墓穴へと近づいていく。しかし、何故かスカリーはその場から動こうとはせず、その表情はまるで飛び込むことを惜しんでいるように見えた
ジャミル『スカリー?どうしたんだ。立ち止まって』
スカリー『..これで、とうとうお別れですね』
セベク『なんだ、改まって。大袈裟な男だな。この扉の先はツイステッドワンダーランド。全員で一緒に麓の町に帰るだけだろう』
ユウ『今度はこっちの学園に遊びに来なよ。先輩たちも僕たちも歓迎するからさ』
学園以外の人間にはそこまで友好的な態度は取らないユウの珍しい誘いだったが、スカリーは静かに首を横に振った
スカリー『いいえ..我輩には分かるのです。素敵な皆様とはもう二度と、お会いすることは叶わないでしょう』
ユウ『どういうこと..?』
『......』
スカリー『でも..いつも、いつでも、ハロウィンを通じて会えますよ。本当に楽しいハロウィンだった。みんな、ありがとう!』
その言葉はまるで今生の別れのようで、少し涙声に礼を告げる姿に、セベクたちはどこか違和感を覚えた
そんなスカリーの服の裾を掴み、は胸を締め付けられるような不安と焦燥に駆られながら、サングラスの奥のランタンを見上げる
『...約束、忘れないでね。ハロウィンの夜に...』
スカリー『...さん』
『約束、したでしょ?お願い..また会えるって言って』
スカリー『..さん。我輩の運命のお方。貴女様に会えて本当に良かった。もうこの出会いと思い出を知らなかった頃には戻れないでしょう。どうか、どうかいつまでもお元気で。
いつか貴女様に"果て"が訪れた時、今宵のような満月の下で共にダンスを踊りましょう』