第5章 *LIB ナイトメア・ビフォア・クリスマス*
『はぁ、はぁ、ぁ..んぅぅ..//』
スカリー『っ、もっと..もっと君が欲しい。その可愛い顔もっと見せて。我輩に全部ちょうだい..』
いつの間にか素の自分を晒していることに気づかないまま、キスを繰り返していく。互いの背中に回した手が、離れることを許さないように強く縋りつき、見つめ合う瞳は熱情で揺れていた
『ぁぅ..まっ、て..んっ』
スカリー『嫌だっ..まだ足りない』
『ぷはっ..まって、お願い待って。もう、苦しいから....
お願い、スカリー』
スカリー『ーーっ..!!』
名前を呼ばれた瞬間、ドクンとひときわ大きな音を立てて鼓動が高鳴った。今まであだ名で呼ばれ続けたこともあって、心から愛おしく想う相手に名前を呼ばれ、えも言われぬ昂りが這い上がる
目の前で蕩けた表情で見上げるをめちゃくちゃにしてやりたい気持ちを必死に抑え、僅かな理性で再びその身を抱きしめた
スカリー『なんだよそれ..そんなのズルい。これ以上、我輩の心を掻き乱さないで。貴女様の前で紳士として振る舞えなくなる』
『ごめん..怒らないで』
スカリー『すぅ..はぁ.....
大丈夫です。怒ってなどいません。寧ろようやく名前を呼んでくれてとても嬉しかったのです。もうじきお別れの時ですが、最後に貴女様とこうして気持ちと愛を分かち合う事が出来て良かった』
『本当のお別れみたいに言わないで。ツイステッドワンダーランドに帰ったら、また会えるから..』
スカリー『............』
『スカリー..?』
何も答えない様子に顔を上げると、彼の唇はまるで何かに耐えるようにキュッと引き結び、ランタンの瞳はその渦巻く奥底に悲しい色を揺らす
今にも泣き出しそうな表情に戸惑いを隠せずにいると、スカリーは誤魔化すように額と唇にキスを落とし、いつもの笑みを浮かばせた