第5章 *LIB ナイトメア・ビフォア・クリスマス*
『カボチャさんの気持ち?』
スカリー『はい』
耳を揺らす真剣な声色に"分かった"と頷く。両手がそっと包み込まれ、何処か緊張した面持ちで見下ろす瞳は熱を帯びて炎のように揺らめいていた
スカリー『....我輩も貴女様が大好きです。他の皆様やジャック様を想う気持ちとはまた違う...特別な感情。その愛らしい笑顔と、他者を慈しむ澄んだ心に触れる度にこの身は熱く、そして愛おしいのです。
この世界に飛ばされ目が覚めて、己の腕に貴女様を抱いたあの時から、我輩はもう心を奪われていたのでしょう。
さん。我輩は、貴女様のことを..愛しているのです』
偽りのない愛の言葉に頬が熱くなっていく。ストレートに伝わる好意に応えようと、も改めて自分の想いを口にした
『私もね、あの森で会った時からカボチャさんがずっと気になってたの。不思議で、優しくて、ちょっと悲しそうで..なんか、ほっとけない人だった。でも今は、あったかくて優しくて一緒にいると楽しい。
そんなカボチャさんが..大好きなの』
返ってきた言葉に胸を甘く擽られ、スカリーは嬉しさのあまり涙が出そうになるのを必死で堪えた
スカリー『...さん。今ここで、キスをしても?』
『いい、よ?でも、今まで好きにしてきたのになんで..』
スカリー『あれは素敵な皆様への挨拶や感謝のため。今からするキスはもっと特別で大切な方..貴女だけに贈るものです』
『そっか....すごく嬉しい..んっ』
感触を確かめるようにゆっくりと唇をなぞられる。普段からユウたちにも同じことをされているといえ、初めての相手とのキスに期待と緊張が走る
ぎこちなく頬に添えられた手に重ねると、荒れ気味の唇は弧を描きながら顔を近づけると、優しく触れるだけのキスをした
『んぅ..』
スカリー『..もう一度、してもいいですか?』
『いいよ..んぅっ..』
少し深めにキスをされ、もう一度と言っておきながら、何度も何度も離れては口づける彼らしい少し強引なキスに、彼の服の裾を掴む
それが拒否ではないことを知っているスカリーは、自身を繋ぎ止めていた鎖から解き放たれたように、柔らかく温かい唇を貪るように味わった