第1章 *ハッピービーンズデー*
『!!..誰か来る』
林の散策中、持ち前の聴力でこちらへと近づく足音を聞き取り、急いで近くの背の高い草むらへと逃げ込んだ
『..2人かな。後ろからの方が良いかも』
後ろからの奇襲を考え、足音が過ぎるまでその場で息を潜める
ザッザッザッ..
『...』
見つからないよう、その場に蹲るように手をついて出来るだけ身を小さくし、それでも足音の方向から目を離さない
その様は兎であるにも関わらず、まるで獲物を狙う肉食動物のように見えた
深紅の瞳をギラギラさせながら、その時を待っているだったが、目の前の獲物に夢中になっていたせいで、背後から忍び寄ってきていた危険な捕食者の影に気がつかなかった
『(もう少しで横を通る..)』
?『よお..』
『っ..!!』
突然背後から耳元で囁くように掠めた声に振り向こうとするが、それよりも早く大きな手に口を塞がれ、更にもう1つの腕が腹に回り、そのまま後ろへと引き寄せられた
強い力に連れられ、為す術もなく奥の草むらにたどり着くと、その場に押し倒される。そこでようやく声の正体を目の当たりにした
『あっ..レオ、さん..』
レオナ『兎にしちゃ良い狩りの仕方だ。だが、ちょっと背後がお留守だったな』
『ビックリした。あれ、レオさんもしかして、農民チーム?』
レオナ『見りゃ分かんだろ?』
目の前のレオナは、農民チームが着る白を基調とした専用服を身に纏い、不敵な笑みで見下ろす
の脳に危険信号がけたたましく鳴り響く
『ぁぅ..』
レオナ『ふ、ゲームオーバーだな』
目の前に指ではさんだ豆をちらつかせられ、更に少し離れた所からは先程の足音がもう近くまで来ていることに気づき、はもうダメだと目をつぶった
『ぅ..』
レオナ『...そのまま動くな』
『ぇ..んぅっ..//』
声を潜めたレオナに驚いて目を開けると、優しく唇を塞がれゆっくりと味わうように食まれる
突然のキスに驚き抵抗しようとレオナの服をキュッと掴む。すると、彼の手がそっとの耳に触れいやらしく撫で始める