第5章 *LIB ナイトメア・ビフォア・クリスマス*
ユウ『っ!..先に走ってっちゃった』
マレウス『僕たちもすぐに向かおう。あの様子だと、自分の身を顧みず戦いの間に入っていきかねない。それにこの魔力の乱れ..恐らくグレイブスのものだ。このままではオーバーブロットの可能性もある』
ユウ『こんなところでもオーバーブロット事件に巻き込まれるのはごめんだね。早く行こう』
嫌な予感に身震いすると、先に向かって行ったを後を追うように走り出した
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ーー月の輝く丘
『はぁ、はぁ、たしか、ここらへんだったはず。
…いた!』
満月が照らす丘を走っていると、話し声と4つの人影を見つけ、大きな墓の後ろからそっと覗き込むと、スカリーと彼に対峙するセベクたちの姿があった
スカリー『でももう無理なんだよ..』
『!カボチャさん..』
既にだいぶ戦って消耗しているのか、スカリーとセベクの魔力はだいぶ落ち、吐く息も乱れていた。後方で構えているレオナとジャミルは疲れている様子は見えなかったが、マレウスの感じていたこのままではスカリーがオーバーブロットするかもしれない雰囲気に冷や汗をかいていた
魔力も体力も限界にも関わらず、震える足を踏ん張りながらスカリーは胸に渦巻く己の思いをぶつけていく
それは今まで振る舞っていた紳士の皮を捨てた、16歳等身大の彼本来の言葉だった
スカリー『だって..ずっと思い描いていたハロウィンも!ジャック・スケリントンも!全部全部、間違いだったんだから!』
スカリー『このっ..分からず屋があ!』
レオナ『おい待て、セベク!』
スカリー『うわあああ!!』
2度目のユニーク魔法を発動しようとするのを引き止めるが、その声を無視して魔力は膨れ上がっていく
スカリーも最後の力を振り絞るように、自身の魔力を増幅させ攻撃魔法を放った