第5章 *LIB ナイトメア・ビフォア・クリスマス*
バリバリバリバリ!!!
2つの魔力がぶつかり合い、衝撃波が辺り一面に広がっていく。弾ける光とあまりの衝撃に目を閉じ、吹き飛ばされそうな勢いを必死に耐える
『ぅぅ..っ!』
やがてその勢いが収まり、光もその輝きを失い夜の暗闇が戻っていく。巻き上がった砂埃が晴れていくと、そこに立っていたのはセベクだった
勝負に負けたスカリーはその場で倒れ、残った小さな電気がパリパリと彼の周りに弾けていた
セベク『う..ぐっ..ど、どうだ..これで..少しは頭が、ひっ、冷えただろ!んがっ..うぐぅ..』
ジャミル『スカリーが倒れている..セベクのユニーク魔法の効果か』
レオナ『勝手に無茶しやがって..テメェは待てもできねえのか!』
セベク『うるさいぞ、に、人間..はがっ。ぼ、僕でなければ、駄目だったのだ』
2度もユニーク魔法を使った代償に、2倍体を走る痺れに翻弄されながらも、なんとかその足で踏ん張る
そんな彼の元に小さな足音が駆け寄り、倒れそうな体を支えるように抱きついた
『セベク!』
セベク『なっ、!?貴様、どうしてここにいるんだ。スカリーに捕まっていたのではないのか?』
ジャミル『どうやら、リドルたちの救出は上手くいったようだな。何か酷いことをされたり怪我をしたりしてないか?』
『ん、何もされてないよ。あのね、みんなが助けに来てくれたの。そしたらセベクのユニーク魔法の雷が見えて..すごく心配になって』
レオナ『それであいつらを置いて1人で走って来たってのか?相変わらず考えなしにすぐ突っ走りやがって』
『ぁぅっ..ごめんなさい』
呆れ半分、心配半分で軽く小突かれ額を押さえながら謝っていると、倒れていたスカリーがうめき声を上げながら何とか上半身を起こそうとしていた
スカリー『う..うう..』
『カボチャさん!』
セベク『おい!言っているそばから走って行くな!』
レオナ『はぁ..どいつもこいつも全く言う事聞きやしねえな』