第5章 *LIB ナイトメア・ビフォア・クリスマス*
グリム『なんだあこの袋..ふなっ!お菓子がいっぱい詰まってるんだゾ!』
スカリー『これでも食べてごゆるりとお寛ぎください。我輩はゼロ様と恐らく一緒にいるであろう、どなたかのお相手をしてきます』
グリムたちの拘束を解くと、スカリーは恭しく一礼して遠吠えの方へと歩き出そうとした
『待って』
スカリー『どうされましたか、さん?』
引き止めるの横で片膝をつき身を屈めると、バスタブについた手に小さな温もりが重なる
『やっぱりこんなことやめよ?このままじゃ、カボチャさん..一人になっちゃうよ』
スカリー『一人?はて、何を仰るのですか?我輩には素敵な貴女がたがいて、町にいる皆様もいる』
『違うの。そうじゃなくて..』
スカリー『申し訳ありませんが、貴女の美しいお言葉はまた後ほどお聞かせください。今は時間がありませんので』
自身の手の上に置かれた小さな手にキスを落とし立ち上がると、心配そうに見上げるに背を向けると、今度こそその場を去っていった
『カボチャさん..』
ユウ『あいつのことがそんなに心配?僕たちを攫ってハロウィンをめちゃくちゃにしようとしてるのに?』
『..だってカボチャさん、あの時のリドルさんとかレオさんたちみたいだった。すごく悲しそうで苦しそうで..このままじゃあの人、一人ぼっちになっちゃう。そんなの、や..』
ユウ『優しいね、は。僕だったら、今すぐあいつをぶん殴って無理矢理止めるけど』
『カボチャさんのことはみんなが止めてくれる。でも、もしダメだったらあの人は...』
グリム『むぐむぐむぐ』
ユウ『グリムは呑気だね。こんな時にお菓子爆食いしてる場合じゃないでしょ』
グリム『せっかく貰ったのに残したら勿体無いんだゾ...はぐはぐはぐ』
ユウ『やれやれ。とにかく助けが来るまで大人しくしてようか。このバスタブを出たらドカンとか、襲ってくるとかの罠がないとは限らないしね』